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専門家向け:身体のバランスを考えたアプローチ一例

身体の筋肉のバランスには大きく分けて
①主動筋・拮抗筋バランス
②左右筋バランスの2つがあります。

主動筋と拮抗筋バランスは
●上腕二頭筋と上腕三頭筋
●大腿四頭筋とハムストリング
●腹直筋と脊柱起立筋etc
の様な表と裏の筋肉の関係です。


①主動筋・拮抗筋バランスを整える:リバーサルアプローチ

主動筋と拮抗筋のバランスを整えるためには、

『リバーサルアプローチ』がオススメです。
リバーサルアプローチとは、主動筋と拮抗筋を交互に使う往復エクササイズの事です。

専門用語では『スローリバーサル』と言います。


 

 

スローリバーサルを実施するには、

徒手抵抗での負荷が必要となります。
上腕二頭筋と上腕三頭筋を交互に鍛えるためには、

肘を曲げる動作と肘を伸ばす動作に、交互に抵抗をかけます。

 

アームカールやフレンチプレスなどのエクササイズでは、

片側にしか抵抗がかからないので主動筋と拮抗筋バランスを整えるのは難しいです。

 

②左右筋バランスを整える:相反エクササイズ

次に左右バランスを整えるためには、

『相反エクササイズ』がオススメです。
人間の歩行動作は相反運動の繰り返しです。

 

例えば

右股関節屈曲時は、左脚股関節は伸展し

右肩関節屈曲時には、左肩関節が伸展します。


左右バランスが違っていると、腕の振りや歩幅に必ず左右差が生まれてくるはずです。

相反エクササイズとは、左右で正反対の動きを繰り返し、その動きに抵抗をかけることで成立します。

 

今のところ相反エクササイズが出来るマシンなどは、見たことがありません(笑)

相反エクササイズを行うためには、リバーサルアプローチと同じで、徒手抵抗でのトレーニングが必要となります。

 

逆に言うと、人がいなければ出来ませんので、トレーナーや治療家の腕の見せ所ですし、お金を払う価値がそこに生まれます。

①・②でダメな場合は:関節アプローチ

①主動筋・拮抗筋のバランスと

②左右の筋バランスが整うと、脊柱や骨盤の歪みも整っていきます。

しかし、①②のバランスが整っても

『なぜか股関節が安定しないな〜』
『まだ骨盤の歪みが気になる』
『肩関節の動きが悪い』

などの違和感が残る場合、『筋肉』の問題ではなく『関節』の問題の可能性が高まります。

筋アプローチをしてもダメな場合は、切り替えて関節アプローチをします。

 

股関節や肩関節は球関節と呼ばれ、自由性が高い反面、安定性が弱いという性質から、大腿骨頭や上腕骨頭の位置が歪みやすい傾向にあります。

『ファンクショナルジョイントプレイ』と呼ばれる『機能的な関節の遊び』が球関節には必要です。

ファンクショナルジョイントプレイを引き出すためには、

凹凸の法則を使って、骨頭の前方・後方・内方・外方変位を整えます。

 


例えば、肩関節屈曲時の正常な上腕骨頭は下方に滑る様に動きます。

しかし、上腕骨頭が上方に歪んでいると

関節窩に骨頭が引っかかり、肩に詰まり感を感じることがあります。

 

よく股関節が詰まると表現するクライアントがいらっしゃいますが、

股関節の詰まり感を感じる方は大腿骨頭の歪みがある可能性が高いです。

筋バランスを整えてダメな時は、関節アプローチで関節の歪みを整えるのが、おすすめです。

 

まとめ

整えて終わりではなく、最後はエクササイズで終わる事が重要です。

パッシブ(他動的)からアクティブ(自動的)で終わるという流れを

確立する事で、自分の身体を操れる、機能的な身体になっていきます。